Wild Rock


「カマギツネさんは、多分川にでも落ちて流れちゃったのでは? 崖から落としちゃったもの。エロウルフは木に吊してますわ! だっていきなり手を握るだなんて、セクハラですわ!」

 プンスカと激怒しながら腕を組むと、マリアが数発撃ち込んだ。

 パイモンは軽々と避け、自分の回りに黄色いつぶてを出現させる。

「せっかちな人ですのね? 西のマリアとは大違い」

 それを聞き、目を見開きながらパイモンを見上げると、パイモンは無邪気に笑顔で手を振る。

「あ、心配しなくても大丈夫でしてよ? まだ西のマリアは生きてますから」

 クスッと嘲笑うような笑みに変え、残りの言葉を放つ。

「まあ…虫の息ですけど?」

 いけしゃあしゃあと喋るパイモン。


 なぜいきなりマリアだけがパイモンの相手をしているのか?

 時は一時間ほど前に遡る。

 
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