Wild Rock


「押し付ける愛は醜くってよ! オネェなら、男の腹を満たせてから落とすのよ!」

 鉄扇を口元に当てながら睨むが、なぜか内容がオネェなのが気になる。

 そこは無視して、パイモンはギリリと歯を食いしばりながら魔力を解き放つ。

「発動せよ!
オキニス・アスピス!」

 剣を地面に刺し、力ある神聖呪文を叫ぶと、円を描くように四人を包み込んだ。

 パイモンの魔力によって木々や草は全て枯れ果て、辺りは荒れ果てた大地と化した。

「ったく。やっかいな奴を部下にしやがって」

 俵担ぎされているルーシュを睨みつける。

 いくら昔の記憶がなくても、やはり部下に任命したルーシュが悪い。

「どーすんだマリア。このままだとヤバイぜ?」

 悠長にタバコをくわえながら言うと、マリアは舌打ちしながら一手を考えた。

 
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