Wild Rock
勇気を振り絞って言葉を紡いだというのに、突き放すように返され、ルーシュは涙を零した。
「あたしがお前の傍にいるんじゃない。お前があたしの傍にいるだけだ。お前はあたしの下僕。違うか?」
碧い目で言われながら見つめられ、ルーシュは涙を拭いながら笑った。
"傍にいてもいいから、早く強くなれ"
素直に言葉を言わないマリアの遠回しな言い方に、自然と笑みがこぼれてくる。
「うん! マリア大好きだ!」
ベッドからジャンプしてマリアに抱き着く。
「何すんだバカ犬!」
ゴン!
「キャン!」
拳で頭を殴られ、撫でていると、マリアはげんなりした顔でドアを開ける。
するとルーシュは真っ先に出て行き、階段を駆け降りて行った。
マリアはその後を、フッと笑みを浮かべて歩いて行く。
(世話のやけるガキだな…)