Wild Rock


 喉の奥で笑いながら言う青年の手を払いのけ、皆を見回しながら言う。

「生意気じゃありませんわアスタロト。でも確かなのは、あの東のマリアは間違いなく、ユリシーズの魂を持ち合わせているということですわ」

 四人の眉が静かに潜む。

「戦ってみてわかりましたもの。残りの二人も、あのときユリシーズの援護をしていた人間の魂の色をしてましたわ」

 パイモンの言葉に狂ったように笑いだすアスタロト。

 腹と額に手を当てて息を落ち着かせると、今度は喉の奥で笑い出した。

「おもしれぇ。あン時のギャラリーが揃うとは、我が王(マイ・ロード)は、粋な必然(もの)を紡いでくれたもんだぜ」

 メイデンはフワリと浮き上がり、パイモンの目の前まで飛んで行く。

 一瞬で来られたので、息をのんだ。

 
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