Wild Rock


「だあ~っ!!」

 押されながら、メイデンの頭へ足を伸ばして蹴りをいれた。

(やった!)

 そう思ったのもつかの間。

 無表情から鼻で笑うような顔を見せ、ルーシュはこれほどになく悪寒を感じた。

「うわああああっ!!」

 剣は一瞬のうちにメイデンの腕と同化し、ベリアルを喰った時と同様、今回は腕だけが二つに裂け、無数の針が襲い掛かる。

 ファイヤーボールで一気に蹴散らし、ルーシュを捕らえているメイデンに総攻撃をかけた。

「無駄なことを…」

「無駄じゃ…ねぇぞ…」

 刺された状態のまま、ルーシュは血を吐きながらか細い声を出した。

「なぜですか、我が君? 力の差は歴然。大人しく殺され、捕まっていれば痛みも苦痛もないというのに、これを無駄と言わずに何と言うのですか?」

 ズブズブッと、痛みが走るようにゆっくりとルーシュの肉に押し込む。

 小さくか細い悲鳴をあげるルーシュ。

「ひぐっ! 俺達は…ぐぅっ…マリアを守る! マリアだけを、ガハッ…守り抜くんだあああっ!」

 
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