Wild Rock


 三人の制御装置が、甲高い音とともに壊れた。


 ビキビキと、負った傷と骨が音を立てながら再生していく。

 再生の痛みからか、時たま呻くような声が聞こえてくる。

「馬鹿な?! 制御装置が壊れるなんて!?」

 首を元に戻したメイデンが驚愕の声をあげた。

 制御装置は、付けた者にしか解除することはできない。

 以前、ルーシュは内なる魔力に制御装置が耐えられずに壊れたが、あの半端者の二人が壊すほどの魔力は兼ね備えていないはず。

 なのにピアスとペンダントは砕け散った。


 ユラリと立ち上がり、その瞳は獲物を狙う獣のように…。


 頬には戒めの鎖のタトゥが浮かび上がっている。

「そんな!? 姿を保っていられるなんて! 有り得ないわ!!」

 メイデンは一歩、また一歩と後退していく。

 マリアも壊されたことには少々驚いたが、姿を保ったままその場にいるのは、さすがに声をもらした。

 
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