Wild Rock
遠くからパキンと何かが割れたような音がしたが、目の前には何の代わり映えのないドアが佇んでいるだけ。
三人は顔を見合わせ、ルーシュがドアノブに手を当て、クルリと回す。
さっきとは打って変わり、軽く回り、ルーシュは笑顔になった。
「開いた!」
闇の深さにも似た暗い部屋。
その奥には異形の形のアマンダと、そこから少し離れた所にマリアがしゃがみ込んでいた。
額と左肩から血を流し、銃をアマンダに向けている。
『マリア!?』
「あら? 遅いお着きね? 力が半減しているときでよかったわ~。こんなに早くケリがつくんですもの…」
ギョロリとえぐり出された目を、キョロキョロしながら笑う。
「何でマリアの力が半減すんだよ!」
腰に携えていた剣を抜きながら言うと、医者でもあるファブニルが説明を始めた。