Wild Rock
「女性の身体はね、月に一度あるものが来て体力が半減するの。能力のない普通の人は身体が怠いだけなんだけど、マリアみたいに能力のある人にとっては命取りなのよ…。本来の力を発揮できないから、自分の身は護れない…」
「よーするに、あの日だろ」
少し呆れ顔になりながらフェンリルが言うと、ルーシュはまだ理解に苦しんでいた。
力が限界だったのか、マリアは床ではない床に横たわる。
「あぁ…愛しいルーチェ。この日をどんなに待ち望んだことか…」
アマンダはズルズルと身体を動かしてマリアのそばへと近づく。
血の気の引いたマリアを抱き上げ、頬にキスをする。
「汚ねー手で、マリアに触んじゃねーっ!」
ルーシュが剣を投げつけるが、アマンダの結界によって弾き返された。
続いてフェンリルが攻撃を仕掛けるが、おなじことだった。