Wild Rock
そんなアガリーを見てか、マリアも余裕を見せるようにタバコに火を点け、紫煙を吐く。
「さて。約束通り答えてもらおうか? 一つ、なぜ証を狙う? 二つ、お前達の黒幕はだれだ? 答えろ」
「わたくしが公爵様に許されたお言葉はただ一つ。運命の輪は廻りはじめた。すべてのオルレアンの聖女に死を…」
そう答えると、視線をルーシュに向け、一礼する。
「では我が君。またお会い致しましょう…」
そう一言言い残すと、アガリーは風のように消えた。
マリアは舌打ちをし、銃をしまった。
フェンリルはタバコをくわえながら、右腕をルーシュの頭の上に乗せた。
「何お前、あいつと知り合いなわけ?」
「知らねーし! ってか肘置きじゃねーんだよ! 下ろせこの~っ!」
ジタバタするルーシュに、フェンリルは更に腕に力を込め、重しする。