Wild Rock
「あ~。ちっこいから肘置きかと思ってよ~?」
「ふざけんな~っ!」
ガウン!
「うっせえっ! バカやってねぇで、さっさと先に進みやがれ! このブタ野郎!」
足元に銃を撃ちつけ、二人は抱き合いながら飛びのく。
ファブニルはそんな三人を見て苦笑していた。
稲光が轟く暗黒の世界。
アガリーは一人の玉座の前でひざまづいていた。
「アガリー。我が君は、千年前にお亡くなりになったのだ。お前の言葉に、嘘偽りはないというのか?」
低い色香ある歳を召した声が言葉を放つ。
「我が公爵様に嘘偽りは申しません。確かにあの方は、蘇っておりました。どこにいらっしゃったのかは、謎が残りますが…」
「…。ならば、今度はわたしが出向こう。お前の忠誠を疑っているのではないが、この目で我が君を、今一度垣間見たい」
玉座から立ち上がり、アガリーはまた頭を下げた。