Wild Rock


 ファブニルの言葉を遮るように、ふて腐れたように言うおばさん。

「なら俺達が何とかしてやるよ!」

 ナポリタンを一気に飲み干してから、ルーシュが笑顔で言う。
 おばさんは呆気に取られた顔をしたが、すぐ止めろと止められた。

 だが三人は聞く耳を持たずに、悲鳴のした方へと、人をかきわけながら走り出した。

「ちょっとあんた、あの子達仲間だろ? 止めないのかい?」

「別に構わん。それに…」

 少し間を置き、ため息混じりでおばさんに言う。

「奴らは、下撲だ」

 仮にもシスターが言う言葉ではないので、おばさんは目を丸くしながらマリアの背中を見送った。

 三人は祭を賑わう人々をかきわけ、ようやく悲鳴の発生地点へと到着した。

 
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