Wild Rock

 開け放たれたと同時に、地下独特の湿った空気とカビ臭さが鼻をつく。

 その空気にのって、蝋燭や松明の匂いも混じっていた。
 そして何よりも、若い女の子の笑い声が聞こえてくる。

 ピルケースに皮膚をしまい、地下への階段を下りていく。

 そして壁が、音もなく閉まる。


 下に行くにつれて明るくなっていく。
 ペンライトを消し、明かりを辿って行くにつれ、声も大きくなっていく。

 入口に辿り着くと、ありえない光景が目に入り、その場から立ち去りたいほどの行動だが、足がすくんで動かない。

「こ…れは…!?」

 女同士で身体を貪り合うのもいれば、ワインのようにも見える赤くドロッとした液体を美味しそうに飲みながら、命を絶つ女の子もいる。
 踊り狂いながら悪魔に肉欲を欲する者もいた。
 そんな女の子達を見つめながら笑う、異業な身体をもつ悪魔達。

 こんなことが、現実に起こっていいのだろうかと思うほどの光景。

 これが、悪魔崇拝の祝祭、サバト。

 そしてこれが、魔族との契約をしたというこの研修所の裏の顔。


 
< 72 / 251 >

この作品をシェア

pagetop