神様修行はじめます!
「そんな事、絶対にない!」

「現実を認めろと言ったはずだがの」

「だってありえないものは、ありえない!」

「周囲を見てみい。ありえぬ事が起こっておろう」

「だっ、て・・・。じー様にそんな事は不可能だもん!」



そうだよっ。

なんであたしのじー様に、こんなマジックが可能なわけ!?


じー様は町内会の名誉役員やってる以外は、ごく普通のじー様なんだからっ。

こんな一大イリュージョンとは縁もゆかりもない一般市民だもん!!


「お前、自分の祖父の事をなにも知らぬのか?」

「だから一般市民・・・!」

「やれやれナオめ、罪な事を。昔から変わらぬのぉ」

「・・・あんたじー様のこと知ってるの?」

「知っておる。とてもよく、な」


ふわりふわりとしっぽを左右になびかせて、ちらりと視線をこっちに流す。


「事情を知りたくはないか?」
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