神様修行はじめます!
「永世よ、こんな紙切れなど無くとも小娘の素性は明らかじゃぞ」

「どういう意味ですか? 絹糸」

笑顔で封筒を受け取りながら、おばあ様が首をかしげた。


「この小娘は天内一族の末裔じゃ」

「・・・・・」


途端におばあ様の笑顔が凍りついた。


「なん、ですって・・・?」

「天内 直の孫娘じゃよ。こやつは」


カサ・・・・・


おばあ様の手から、音をたてて封筒が滑り落ちた。


ぎこちなく顔がこちらに向く。

その両目が動揺の色に染まっていた。


固まった表情のまま、おばあ様の唇だけが動いた。


「あなたの、お名前は・・・?」
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