GOLDMOON~美しき獣の赤い糸の花嫁~
目の前のケルブは俺が今まで見ていたケルブではない。



お前の持っていた光は三日月のような儚い光ではないはず。



孤高の光を放ち、天使としての威厳と持ち、聡明で優しく誰からも好かれ、何よりも俺が一番、必要していた存在…未来永劫…お前は俺の片側に居るはずの者。




「…ケルブ…お前の手に触れたい…俺に手を差し出せ」



俺は格子越しに精一杯…手を入れた。



「…触れるコトはなりません。セラフ様…貴方まで穢れますよ」



「ケルブ…」


ケルブは自分の穢れた身体に触れるコトすら許さなかった。

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