横で眠る「あなた」【未完】
第61章
ご飯が食べられなかったり、食べられてもそのあとに、むかつきがあったりとしたけれど、とうとう、入試の日が来た。

全力で、臨もうと思っていた。

理先輩からは、試験が終わったら、会うことになっていた。

基本問題を出すと聞いてはいたので、さほどの戸惑いはなかった。
大きなミスをしていなければ、合格の基準と言われている点数は、全教科取れたのではないだろうか?

後は、面接。
これは、グループ面接だった。
面接は悪くなかった気がする。

試験が終わり、理先輩と待ち合わせしていたカフェに入った。
「試験はどうだった?」と聞かれ、「手ごたえはありました。」と答えると「頑張ったんだね。」と言った。

カフェから出て、映画館に入った。
私も理先輩も、いわゆる「名画」と言われる古い映画が好きだった。

その映画館は、「名画」をよくかける映画館だった。
しかも、大きくないから、集中して映画に入りこめる気がして、私も理先輩も気に入っていた。

高校生のカップルで観に来る人は、少ないのかすっかり映画館のスタッフの人も、顔見知りになっていて、今日も映画館に入ると、気軽に声をかけられた。

理先輩と久しぶりに、映画デートができて、リラックスできて、試験の結果はどうでもいいかなんて、適当な事を思ったりもした。

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