牙龍−元姫−



私は早苗のお蔭もあって周りの子ともすんなり打ち解け1人で居ることはめっきり減った。



早苗は所謂ムードメーカー的存在で明るい子。運動神経も良く男子に混じってサッカーをする早苗は楽しそうで本当に輝いていた。



私は自分が出来ないことを簡単に遣って退ける早苗を尊敬した。早苗と一緒にいるようになって毎日が色づいた。



楽しくて楽しくて。時間も忘れるくらいに早苗と遊ぶ事に没頭した―――――だから男勝りの早苗がまさか恋をするなんて誰も思って無かった。それは私だけじゃなかったと思う。









―――林くん?

―――うっ、うん

―――嘘!?あの早苗がッ!?

―――明日は雪降るじゃん!寧ろ台風が来るって!槍が降って人類滅亡とか有り得るって!

―――はあ?皆酷すぎだから!失礼極まりないし!

―――…早苗。林くん?のことが好きなの?

―――え!?……うッうん。響子も協力してね!

―――あ。うん。いいよ







あの時の早苗の姿はいまでも鮮明に覚えている。正しく恋する乙女そのものだった。



私は話したことはないけど同じクラスメイトらしい林くんとは一緒にサッカーもする仲らしい。



私に「あれ!あれが林って言うの!」そう教えてくれたときの早苗は無邪気で凄く可愛かった。
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