牙龍−元姫−
だから早苗は今のままでも充分可愛かったと思う。なのに林くんに恋をし初めてからの早苗は自分に劣等感を味わいだした。
全然可愛くない
このままじゃ駄目
小学生の頃はまだ口だけで収まっていたが中学校に上がるとそれはヒートアップ。ありとあらゆる化粧品・服・雑誌・サプリに手を伸ばし始めた。
サッカーなんて男らしい事はもうしない!そう言った早苗はもう既に元の輝きは失われていた。
人はそれぞれ個々の輝きがあるのが‘魅力’なんだよ?
―――――――何度そう言おうと思った事か。だけど必死な早苗を見ては口を紡ぐ毎日。早苗が一生懸命な姿を見ると止められなくて応援していただけ。何も出来ない自分が歯痒かった。
そんなある日。事は起きた。
林くんが言った一言が全てを崩壊させたんだ。