牙龍−元姫−





「……わたし輝君の後ろに乗りたいな」

「マジで!?」





おずおずと言うわたしに緑川君はめちゃくちゃ驚いた。



それと同時に見棄てないで!と嘆き始める。



そんな彼を見て里桜は笑っている。





「愉快、愉快。おほほほほ。私の響子をそんな目で見るからよ。目にワサビ塗られなかっただけでも有難いと思いなさい」

「響子ちゃんごめんー!戻ってきてー!」





私は里桜に手を引かれてバイクから下りる。



運転する気満々の里桜は緑川君を引きずり落としてハンドルを握った。尚も緑川君は私に手を伸ばしながら謝罪している。



焦った形相に里桜の運転はそこまで荒いのかな?と考える。





「乗れよ、野々宮」





―――下りた私に輝君が声をかけてきた。彼は里桜との攻防で少しお疲れ気味な様子。
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