牙龍−元姫−
「もはや尊敬を通り越して崇拝の粋だわ。ストーカー紛いなこともしてるなんて見損なったわ」
「は!?ストーカーじゃねぇよ!尊敬も崇拝もちげえ!俺はただッ―――――!」
「はいはいはい!それ以上言ったらダメだよ。て言うか聞きたくないから。人前では言わない約束でしょ!西街の面子が潰れる!」
「チッ。うっせえよ」
「…アンタも大変ね緑黄色野菜」
「うん誰かなそれは。緑川流って言う名前があるからね」
何だかコントを聞いてるようなテンポだ。
輝君が“彼”に執着してるのは知っている。だから初め私は目の敵にされていた。
緑川君は“彼”に対する輝君の想いを公にはしたくないようで人前では最善の注意を払っている。
「わはははは!だが王冠だけじゃねぇ!もうすぐ新コレクションが手に入るんだ!」
「「は!?」」
「……新コレクション?」
輝君が高らかと言った言葉に2人は仰天し、わたしは小首を傾げる。
王冠以外の彼のコレクション?
「ど、どうやって手にいれるんだよ。まさか――――盗み?」
「ちげえよ!」
カッ――!と目を見開いた緑川君に輝君は直ぐさま否定した。
心外だ、と言わんばかりに。
密かにコレクションをコレクションにしている時点でどうかと思うけど。
「伝に頼るんだよ」
「伝ェ?そんな気持ち悪いお仲間が居たなんて知らなかったわ」
「ならお前の弟は気持ち悪いことになるじゃねえか!」
何か心当たりがあるのか緑川君は溜め息をつく。
勝ち誇ったように笑う輝君に里桜と私は唖然とした。
いまの言い方からするとその伝は――――千秋だと言っているように聞こえたから。
「…な、な、なにアイツ。アンタと同類だったの?」
「ああ。そうだ!」
「ちょっと嘘をつくな!水に沈められるよ!里桜ちゃん違うから!君の弟は正常だよ!」
「俺が異常みたいな言い方すんなよ!!!」
「「実際そうだろ。」」
2人に睨み付けられた輝君は押し黙る。
ホントこの3人を見ていると色んな意味で気苦労が耐えない。