牙龍−元姫−
漆黒の瞳がゆっくり動く。
ヤツらから僕へと。
そして僕と目が交わった。
『オイ』
『…なに』
まさか声を掛けられるとは思ってはいなくて、驚いた。
それを隠し平常心を装う。
『お前、暇か』
『…暇だけど』
口数が少ないのか何が言いたいのかさっぱり分からない。
なに?と訝しげな顔をする。
『来い』
『…は?』
『行くぞ』
強引な漆黒の少年。
マイペースなのか傲慢なのか。
何処までも我が道を行く。
とりあえず僕は着いていくことにした。
行くのは面倒だけど、此処にいるのはもっと面倒。
だからとりあえず跡を追う。