牙龍−元姫−
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『僕、ハーフなんだよね』
『見れば分かる』
『…何とも思わないの?髪も瞳の色も違うし』
『髪なら慎も赤だろ』
『あれは染めたから…』
『それに、』
この話をする事は今まで避けてきた。何を言われるのかと背筋が凍ったけど、
戒吏の次の言葉に違う意味で衝撃を受けた。
『その色、嫌いじゃねえ』
このとき確かに僕は胸を打たれた。
変な意味ではない。ぶっきらぼうながらも、あの真っ直ぐな漆黒の瞳をした戒吏に惹かれた。
はじめてだった、こんな言葉を貰ったのは。