牙龍−元姫−



苛立ちから自然と目がギラついてしまう。
正面を見据えて意味もなく睨み付ける。



アイツは前からそうだ。私の事が気に食わない癖に響子から無理に引き離そうとしなかった。



それどころか――‥わざわざ響子が倉庫に行かない日を作ってまで私との時間を割いていた。



同情?情け?



…ただの気遣いだから余計に腹が立つのよ。



私が気に食わない癖に配慮したあの行動。私と“考えが似ている”から分かると言いたげの、あの目。


吐き気がする。アンタなんか似てないわよ。だけど、
血の味がそれを肯定しているみたいで癪に障る。



図星だと、血の味が語る。
< 686 / 776 >

この作品をシェア

pagetop