牙龍−元姫−
嫌々ながらもドアに手を掛ける。
コイツの運転マジで気違い染みてるのよね…。
流石、西は走り屋と呼ばれてるだけあるわ。喧嘩になんて興味もない輩が集まった西街。連中はただバイクで走るのがスキな奴等。
西も東も南も考え方が違う。
後部座に乗ろうとしたけど…
「おい!なんで後ろに乗るんだよ!?前に乗れよ!」
「ちょっとでも衝撃を抑えるためよ…」
「何のだよ!?」
事故のに決まってるじゃない。
アーメン。
「喧嘩売ってんのか!手を組むの止めろよ!テメェ、キリスト教徒じゃねえだろうが!」
「仕方ないじゃない。神頼みよ」
「東で捕まるヘマしねえよ。時速もそんな出さねえ。…多分」
「あーもうイヤだ。なんでアンタが来んのよマジで。流に運転させれば良いじゃない。くそ!なんで居ないのよアイツ!」
「コッチが聞きてえし。だいたいなんで野々宮いねえんだよ。俺はてっきり―――‥」
「はぁん?ただアンタが響子に逢いたかっただけなんじゃないの?新車の助手席に乗せたかったんでしょ?ねえ?この車買ったばかりだもんねぇ。助手席に乗せたいのよね!グラサン君は響子ちゃんとドライブデートしたいのね!?」
「うっせえよ!!」
つかウゼエ!と叫ぶグラサン。
キャラ壊れてるとか余計なお世話だわ。
いい加減グラサン外さないとアンタこれからコードネームはグラサンよ。と言うと渋々外す。
まぁまぁイケメンなのよね、コイツ。
「とりあえずさっさと出してよ。誰に見られてるか分からないじゃない」
用意周到だけど、鞄も持ってきた。響子には悪いけど今日は帰らせて貰うわ。響子に心の中謝れば、いま頃響子の元には加賀谷が居るのかしら?と考える。