牙龍−元姫−
一人の男子生徒が私の手首を引っ張って立たせようとしたとき、
何処からか石が飛んできた。
「うわ!」
「い、石!?」
かなり驚いている彼ら。
私も吃驚してしまった。
遠方からいきなり石が飛んできて手首を掴んでいた生徒の頬を掠めたから。
その飛んできた先を見れば…
掌で数個の石を弄る金色の彼。
「気安く触ってんじゃねえよ」
――――ヤバい、と瞬時に思った。
空が言っていた通り相当苛立っている遼がソコに居た。
睨み付ける遼の姿に三人は短い悲鳴を上げると、私には見向きもせず、逃げるように去っていった。
何だか嵐が去った静けさ――――――――新たな嵐が来てしまったけど。