獣は禁断の果実を蝕むのか。
さっきまでの夢を描いていた妄想が、音を立てるようにかき消された。
世界最高級の車でS&Gの専務が、ガード下の立ち飲み!?
ポッカリと口を開きながら、専務の後姿を追った。
冗談でも何でもなく、連れて行かれたのはよくある古びた居酒屋。
…私くらいの人間には、この程度で十分ってことだったんだ。
浮かれすぎた自分が悲しい。
やっぱり、現実はこんなものだよね。
それとも…専務が私に合せてムリをしている?
なんて思ったのは一瞬。