獣は禁断の果実を蝕むのか。
「いつもの。」
そう言いながらカウンターの中の少しかっぷくのいいオヤジさんに声をかけた。
「専務…常連なんですか?」
つい、聞いてしまった。
「本当に、秘書としては無能だな。」
呆れたように、ため息をついた。
「すみません。」
心が一気にしょぼくれる。
仕方ないじゃない。
会社の中だけしか、専務の事は知らないし。
業務以外の話はしないでしょ?
ブツブツと心の中でしか文句は言えない。