獣は禁断の果実を蝕むのか。

「いつもの。」


そう言いながらカウンターの中の少しかっぷくのいいオヤジさんに声をかけた。


「専務…常連なんですか?」


つい、聞いてしまった。


「本当に、秘書としては無能だな。」


呆れたように、ため息をついた。


「すみません。」


心が一気にしょぼくれる。


仕方ないじゃない。


会社の中だけしか、専務の事は知らないし。


業務以外の話はしないでしょ?


ブツブツと心の中でしか文句は言えない。

< 136 / 387 >

この作品をシェア

pagetop