獣は禁断の果実を蝕むのか。
「だから、こういう所もオレ達は使うってことを知って欲しかった。」
「それは」
「もっと、オレの仕事を知れ。」
ジッと見つめられたそのメガネの瞳の奥。
氷のような冷たくて、ほの暗い水の底のように真っ暗くなくて。
冷たいのに、どこか熱く熱を放っているような。
これが、本当の専務なのかな?
そんな感覚が胸の中に湧き上がる。
皆瀬さんの言うように、いい感じに専務に取りいれたかな?
嬉しいはずなのに、どこか胸がチクリと痛む。
そんなことを感じさせないよう。
「はい。」
急いでバックの中から手帳を出すと、メモを取り始めた。