獣は禁断の果実を蝕むのか。

きっと、皆瀬さんとも今日でお別れ。


たった2ヶ月ちょっとだったけど。


お別れって思ったら、少し寂しいな。


…専務とも。


今日でさよならだった。


昨日のことで、すっかり忘れていた。


辞めるつもりだったのに、いざとなったら。


こんなにも寂しくなるのは、イヤな勉強から解放されるのに。


寂しくて仕方ない卒業式みたいなもの。


自然と目には涙が溢れそうになる。


みんなに見られないよう、うつむいた顔。


「どうしたの?キライだった?」


隣に座る室長が、心配そうな顔をしながら私の顔をのぞき込んだ。

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