獣は禁断の果実を蝕むのか。

九重部長の手からあごを外すと、シュルッとネクタイをゆるめて。


震えそうな手を堪えながら、ゆっくりとシャツのボタンを外して。


私の書いた携帯番号に、唇を近づけた。


ネオンに映し出されたキレイな筋肉は、怪しさをまとっていて。


ゴクリと息を飲むと。


フワッと唇でふれた九重部長の胸。


小さく出した舌でペンで書かれた携帯番号をなぞって行く。


私の髪をすくかのように、九重部長の手が私の頭に触れた。


うっすらと消えた番号。


少し唇を離すと、もう一度、書かれた番号に舌をはわせようとした。


「それえじゃ、いつまでたっても消えなだろ。こうやって消すんだよ!!」


グッと私を引き離すと、ブチブチブチッとブラウスのボタンがはじけ飛ぶ音がして。


私のブラウスのボタンが宙を舞った。


「え!?」


言葉にならない声を上げた時には、九重部長の唇が私の首筋に当てられていた。


温かい舌が私の首筋を這うと、甘噛みにも似た痛みが走り抜けて。
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