獣は禁断の果実を蝕むのか。
皆瀬さんの後ろについて、意味の分からないまま廊下に出て歩き出した。
「あの…」
恐る恐る、皆瀬さんの背中に話しかけた。
だって、一体、どういうことだか知りたくて。
なのに皆瀬さんは何も答えず、スッといきなり腕をつかむと、非常階段に引きずり込んだ。
ビックリしながら見上げた皆瀬さんの顔は、さっきの優しい笑顔なんかない。
ムッとしたように、私をにらみつけた。
「アンタ、常務と何回寝たの?」
さっきまでの穏やかな口調じゃない。
上から見下すように。
腕を組みながら、ジロリと私を上から下まで見回した。
「ち…違います。」
慌てて訂正すると、皆瀬さんはフッと一呼吸をして
「へぇ、じゃあ、本当に横領したんだ。」
「え?」
どうして皆瀬さんが知っているの?