獣は禁断の果実を蝕むのか。
「私、常務と結婚するの。その時が来たから、ちょうどアンタを私の代わりにS&Gに呼んだってわけ。」
この人、常務の彼女だったんだ。
美人だし、お似合いだけど。
なんか…ちょっとショック。
常務に憧れてたから。
失恋にも似た感覚。
だけど、その彼女に潜入させるなんて。
まあ、こういう仕事は信頼とかないと無理なのかな?
私の場合は、信頼ってより弱みに近いから。
「皆瀬さんも、私と同じように藤衛常務に近づくために?」
「私はここのトップの動きをリークするために潜入したの。まさか、アンタみたいなどんくさそうなのを送ってくるとは。」
ハアッと大きなため息をついた。