獣は禁断の果実を蝕むのか。

今の皆瀬さんも、同じだとおもうから。


それに、謝まられる理由はない。


「謝らないで下さい!!」


ジッと、今にも泣きだしそうな皆瀬さんの顔を見た。


「違うの。小松にデジウェアを手に入れられたくなくて、色々と手をまわしちゃったの。」


唇を噛みしめながら、ゆっくりと目を閉じた。


「……え!?」


思い出すのは、お弁当や書類。


ネチネチとしたイジメの日々。


それを皆瀬さんが手を回したって。


何かの冗談としか思えなくて、パッと大きく目を開いた。


「室長の好みそうだから、女の子に手を出すって事を黙っていれば、当然、警戒もしない。手を出されて、嫌になって辞めるかな?とか、ただでさえ、どんくさいのに、仕事も出来なくて専務にクビを切られるか?秘書室のみんなに嫌われているって思えば、居づらくなって辞めるかな?とか。毎日、考えていたんだけどね。」


皆瀬さんの言葉に、呼吸が止まりそうなくらい衝撃だった。


だって、皆瀬さんには、何も話していなかったら。


やられたことを知っているのは、犯人しかいない。


「……じゃあ、どうして助けてくれたんですか?」


給湯室で。


それだけが疑問。

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