獣は禁断の果実を蝕むのか。

「じゃあ、着替えてきます。」


小さく笑うと、そっと手にスーツを持った。


「ここで着替えろ。」


眉をゆがめた。


「え!?ここで…ですか?」


専務の前で着替えろって?


それは…もう、全部、知られたわけで。


でも、恥ずかしいじゃん!?


戸惑う私の顔。


「その格好を、他の奴に見せるのか?」


ジッと冷たい視線がボタンを無くしてはだけたブラウスに注がれる。


「あ……。」


慌てて毛布を頭までかぶると、その中で着替えはじめた。

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