獣は禁断の果実を蝕むのか。

「オレの匂い…誰も触れなくなる。」


耳元の甘いささやきが、どこか安心したような落ち着きを放っていた。


もしかして…


「いつもの服装…嫌いでした?」


小さな問いかけに、バッと体を引き離すと、少し照れたような視線をうつむけて、唇を噛みしめていた。


「……落ち着かない。」


照れたその言葉が可愛くて。


思わずクスッと笑ってしまった。


「本当に、ヤキモチ妬きなんですね?」


イジワルな笑みを浮かべながら、ジッと専務の顔をのぞき込んだ。


「独占権は、オレにしかないはずです!!」


ムッとしたその顔は、いつもの冷徹な専務じゃなく。


どこか人間らしさがあって。


図星に照れているのがすぐに分かる。

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