獣は禁断の果実を蝕むのか。
「せ……専務!?」
どうしてここに?
スッと、目の前の皆瀬さんの座っていた席に座ると。
フッと笑いながら、指を絡めた両手でほおづえをついた。
「デザートはいりませんか?」
柔らかくほほ笑む専務。
幻じゃないかって何度も、パチパチとまばたきを繰り返す。
「どうして…ここに?」
ウソ…じゃないよね?
「皆瀬は、本当に仕事ができる。」
その一言で、皆瀬さんが謀ったことだって一発で分かった。
「どうして……今になって。」
目の前に現れたりするの?
気持ちに折り合い付けて。
夢だったって思わせてくれないの?
必死に、溢れそうになっている涙をこらえた。
「連絡先は分からない。携帯は会社から支給されたものでしたし。キャスピテールは退社。引っ越しまでしていましたからね。」
フウッと小さくため息をついた。
それは…