結婚できるの?
喫茶店で二人でいても、空気は重く気まずかった。

亜里沙は低い声で呟く。


「千香が来たら、私は帰ろうかな」

「帰るの? 千香の気持ちを一緒に聞こうよ」

「なんかもう、どうでもよくなってきちゃった」


陽太の関心は千香だけにあることがハッキリして、亜里沙は投げやりな気持ちになっていた。

陽太は何も言い返さず、沈黙ばかりが流れる。

無言で向かい合っている二人の前に、コーヒーとチーズケーキがそっと置かれた。
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