結婚できるの?
亜里沙が黙っていると、陽太はボソッと呟いた。


「何だか、自分だけ取り残されてくみたいだよ」

「そう?」

「智和さんは立派な社会人で、きっと千香は彼と結婚すると思うんだ。奈緒子ちゃんは若くて青春を楽しんでる。周りの友達も、ほとんどが会社に勤めてて……。俺だけがバイトでさ」

「陽太には音楽があるでしょ? ライブだって続けてるし、頑張ってるじゃない!」

「でも所詮、プロにはなれない。趣味なんだよなぁ」


陽太の言葉が亜里沙の胸に悲しく響いた。

陽太は肩を丸めてコーヒーを啜っている。
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