ふたつの背中を抱きしめた



「あんまりよく寝てたからさ。まぁいっかと思って。」

身支度を整えて戻って来た私に、柊くんはニコニコとそう言ってコーヒーを差し出した。

私はお礼を言ってそれを受け取ると唇を尖らせながら言った。

「でもいくらなんだって…これじゃ私、仕事じゃなく寝に来ただけだよー。」

「いいじゃん、真陽の仕事は子供を安心して寝かせてやるコトなんだから充分、充分。」

まさか柊くんにこんなフォローを入れてもらう日がくるなんて夢にも思わなかった。

「柊くん眠くない?後は私がやるから少しでも寝て来なよ。」

「大丈夫、俺、寝ないでも平気な人だから。それに真陽が目の前にいるのに勿体なくて寝れるワケないじゃん。」

寝起きの頭に柊くんのラブコールは強烈だ。

上手く返せないでマゴマゴしていると

「でもさっきの真陽はケッサクだったなぁ。写メれば良かった。」

とからからと柊くんが笑った。

さっきの醜態を思い出して私の顔が茹でダコのように赤くなる。

「やめて~忘れてよ~。」

「大丈夫、寝癖姿も可愛かったから。」


ニコニコしながら言う柊くんを見ながら、私は完全に今日1日、柊くんにペースを握られそうな予感がしていた。


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