ふたつの背中を抱きしめた
「…ゴメンね、柊くんゴメンね…」
涙にまみれた私のキスを受けながら柊くんが戸惑いの表情を浮かべる。
「…なんで謝るの?」
「私…柊くんに、何もしてあげられない…何も約束してあげられない…」
こんなに求められて
こんなに焦がれられてるのに
恋人と呼んであげられない。
「…辛い想いさせて…ゴメン……」
「真陽…!」
柊くんが私の手をつかんで引き剥がした。
「謝るな!謝るんじゃねえよ!」
「…柊くん…?」
柊くんは、必死な目をして、私を見つめた。
「謝ったら…みんな間違いになっちゃうだろ!全部、悪い事になっちゃうだろ!だから謝るな!」
「柊くん…」
「俺は、何があっても後悔しない!誰になんて言われたって真陽を抱いた事もキスした事も絶対悪い事だと思わない!辛いとも思わない!
…真陽だって、そうだろ?間違ってないって、後悔してないって、言ったよな?」
「柊くん…」
私の顔が涙で歪んでいく。
とめどなく涙がこぼれて止まらない。
柊くんが、私の頭を抱えるように抱きしめる。
「何もしてやれないとか言うなよ。
今ここに居てくれてるじゃん。それじゃダメなの?」
「…でも…」
「じゃあ笑って。笑って、それで…
…俺のコト、好きって、言ってよ。」
間違ってない。
後悔してない。
その気持ちは変わってない。
なのにどうして。
「…好きだよ、柊くん。」
私達、こんなに哀しいんだろう。