ふたつの背中を抱きしめた



…それは、当然の事だった。


「今ならまだやり直せるわ。貴方達の間には、何も無かった。今までもこれからも、ね。」


偽りのレールを敷いて、やり直す事。

それが、園長の与えた罰。

「柊くんは…本来ならそれでも出入り禁止に値するけれど、今回は夜勤で男女を組ませた私の責任が大きいわ。
だから、今後、柊くんは私の監督の元でのみ日勤のボランティアに参加してもらう。そして貴女とは一緒に勤務させない。
それが今回のペナルティよ。」


「つまり、もう…」


「柊くんとは働けないと思って。」


もう

偽りの恋人にはなれない。

同じ志の仲間にもなれない。


私の中の柏原柊を消す事。

柏原柊の中の私を消す事。


それが、園長が自らも罪を抱えて慈悲を持って下した…審判だった。



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