ふたつの背中を抱きしめた



無かったコトにする。


今までも、これからも。


彼の孤独を受け容れたコトも

刹那のぬくもりに身を任せたコトも

偽りの甘い時間も


哀しいキスも


彼の狂おしい程の情熱も


みんな、みんな、
無かったコトに。



それは、過ちだったから。


あってはいけない、過ちだったから。


正さなくては、いけないから。




「…イヤ…だ…」




とんな罰を受けてもいい。

全てを失ってもいい。



でも


間違ってない。

後悔してない。


過ちと、呼ばないで。


どんなに罪にまみれていても



過ちだと、認められない。


『…真陽…好きだよ』


そう言った笑顔を


過ちだと、認められない。




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