ふたつの背中を抱きしめた


夕焼けに染まった部屋で
綜司さんは真っ直ぐに私を見つめていた。

…そんなに…見つめられたら…

自分の顔が赤くなっていくのが分かる。

頬が熱い。


「…真陽…。

僕の、恋人になってくれないか…?」


---それは

心臓がギュウッと掴まれるような


身体中が甘く痺れるような


頭の中で光がいっぱい弾けるような


そんな、一言。



「…綜、司さ、ん…」


息も出来ないくらい胸が高鳴って、苦しい。

途切れ途切れに、綜司さんの名前を呟くのが精一杯だった。


「好きだよ、真陽。
僕と真剣に付き合って欲しい。」

夢?

これは、夢?

ウソみたい。

だって、こんな素敵な綜司さんが
私みたいななんの取柄もないちんちくりんと。


「2ヶ月後、帰って来たら真っ先に真陽に会いたい。

恋人として、真陽に待ってて欲しい。」

綜司さんはそう言って私の手を取って優しく握った。
そして

「…ダメ、かな?」

少しだけ不安そうな表情で、私の顔を覗き込んだ。


綜司さんの瞳が、私を見つめてる。


…綺麗、だな。
綜司さんの瞳。

髪と同じで、少しだけ色素が薄いのが生まれつきだってコトは
小さい頃から一緒だったから知っている。

綺麗だね、綜司さん。

男なのに
色がふんわり薄い綜司さんはなんだか儚くて
幻のようにふっと消えてしまいそう。

私は

綜司さんが
消えてしまわないように

握られた手を、
強く握り返した。


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