ふたつの背中を抱きしめた
義母様は、
驚愕と怒りに顔を歪めた後
それでも私にとりすがって泣いた。
「それでもどうか綜司の傍に居てやって。」
と。
義父様は、
何も言わずただ辛そうな顔をされていた。
義両親が帰るのを見送ってからしばらくして、綜司さんが目を醒ました。
重そうに瞼を開くと、ゆっくりと虚ろな瞳が私を捉えた。
「…綜司さん…」
私が呼び掛けると
綜司さんはぼんやりとした表情のまま、口の端を上げて笑った。
「…良かった……真陽、居た…」
その一言に、
私はもう何も考えられなくなった。
全身が水の塊になったみたいに涙が溢れて
ただ泣くことしか出来なかった。
綜司さんはノロノロと手を持ち上げ私の手に重ねると
力の入らない冷たい指先で私の手を握った。
「…お願いだ真陽、 ずっと傍に居て…。
…僕だけの真陽でいて…。」
弱々しく呟いた言の葉は
静かな夜中の病室に溶けて
私の心の奥へと、沁みていった。