ふたつの背中を抱きしめた





ーーーずっとずっと好きだったんだ。


幼い頃、

泣いた僕の頭を一生懸命撫でてくれていたあの頃から。


すべてを受け止めてくれる優しい眼差しが。

僕を包む温かい手が。


この世界でただ1人

ありのままの僕を受け入れてくれる君が。


昔も今も

君は本当の僕を受け入れてくれて

僕はそんな君を

世界で1番愛しいと思ってた。



君が傍に居てくれることだけが僕の生きる意味となり

君が居てくれるのなら僕は君に僕の持てる全てを与えようと思った。



真陽。



君を愛するようになって僕は初めて夢を持ったんだ。


君と家族を作る事だよ。


真陽はきっと優しいお母さんになるから子供達に好かれるよ。

僕は子供達を縛らない父親になるんだ。


のびのびと育てよう。

笑顔が絶えない家で幸せと愛情に溢れた家族を作ろう。

君とだったらきっと出来るはず。



ねえ、真陽。


君は僕の最初で最後の希望なんだ。


偽りで飾られた空虚な僕の人生の

たった1人の存在。


本当はなにも持ってない僕の

ひとりぼっちの僕の

たった1つの温もり。


だから

お願いだよ。


どうか

どうか永遠に僕の傍に居て。


もう僕を独りにしないで。


真陽ーーーー





< 218 / 324 >

この作品をシェア

pagetop