ふたつの背中を抱きしめた





浅葉綜司。

柏原柊。


この2人はなんて似てるんだろうと今更思う。


背が高くて、儚げで、穏やかな雰囲気漂う綜司。

逞しくて、強い瞳を持っていて、人をなかなか寄せ付けない柊。


見かけも性格も全然違うけれど


その魂の色は一緒だ。


寂しくて淋しくて、


私を渇望して止まない孤独の色。



罪に歪んでいると思っていたこのトライアングルは

もしかしたら運命に彩られたとても均等な三角なのかもしれない。


だって


人にまみれながら独りぼっちだった綜司と

荒野に独りぼっちだった柊の

どちらがより孤独だったかなんて

神様でも無い私になんて分かる筈もない。



だから

私はもう

どちらの手も離さない。



罪の

底の底まで堕ちていく。



ふたつの背中を抱きしめながら。





< 225 / 324 >

この作品をシェア

pagetop