ふたつの背中を抱きしめた



そんな俺を見兼ねたのか、真陽が


「じゃあ一緒にお茶淹れよっか?」


と提案してきた。





「昨夜の夜勤の時に淹れて飲んだ残りなんだけど。」


そう言って彼女が自分の鞄から出して来たのは口を閉じた袋に入った茶葉だった。


「えーっと、急須あったよね?」


「一応。」


引っ越したばかりの時に園長にもらったまま一度も使った事のない急須を俺は棚の奥から引っ張り出した。



「急須でいいの?」


「構造的にはティーポットと変わらないから。」



そう言いながら彼女はやかんに水を汲んで火にかけた。




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