ふたつの背中を抱きしめた





次のデートも、私達はお約束のように文房具屋さんに来た。



いつものように、よく消えるシンプルな消しゴムをひとつ手にすると綜司さんが話しかけてきた。



「だいぶ貯まったんじゃない?消しゴム。」

「うん、これで18個目かな。」



私の言葉に綜司さんが困ったような笑顔で笑う。


「使い切れるの?」


「一生使い続けるつもり。」



振り返ってそう言った私に、綜司さんは何故だかちょっと顔を赤らめた。


そして、レジへ向かった私の後ろで

小声で呟いた。



「…2代に渡って使うってのもアリかもしれないな…」



「え?何か言った?」

「いや、なんにも。」



その時の綜司さんの呟きは聞こえなかったけど。


でも

愛しげに私を見つめる綜司さんの眼差しに

今日も2人の距離が少しずつ縮まっていくのを感じながら


私は、大切な大切なプレゼントの

18個目の消しゴムを握りしめた。









―――fin―――

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