ふたつの背中を抱きしめた
今さら人違いだと誤魔化すワケにもいかず
私はしどろもどろになりながら頷いた。
「久しぶり…です。
そう…綜司、さん。」
まさか幼い頃のように舌足らずに“そうたん”なんて呼ぶわけにはいかず
一瞬逡巡した後、私は無難に“綜司さん”と呼んだ。
綜司さんは驚いたように
大きく目を見開いて私を見つめると
今度はその目を嬉しそうにキュッと細めて
「真陽!大きくなったね!」
と満面の笑みで言った。
綜司さんのあまりに屈託の無い笑顔に私は少し驚いたけど
偽りの無い喜びに満ちたその表情に
私もつられて微笑みを浮かべていた。