ふたつの背中を抱きしめた



けれどもそんな心配は拍子抜けするほど杞憂に終わった。


「真陽ちゃんみたいないいコがお嫁さんに来てくれるなんて夢みたい。ありがとう、綜司の事を宜しくね。」

「綜司が選んだ人なら間違いない。2人でしっかりやりなさい。」

あまりの歓迎っぷりに、私は担がれてるんじゃないかとさえ思ってしまった。


結婚式や披露宴の相談も

「お前達2人の門出なんだからお前達の思うようにやりなさい。」

と信じられないくらい有難いお言葉を頂いた。

だって浅葉家は代々続く地元の名士で、綜司さんはそこの一人っ子だと云うのに。

普通こういう時って、式には義父様と繋がりのある議員さんやら区長さんやらのお偉いさんが
ズラーッと顔を並べて長い祝辞を述べに来たりするんじゃないの?

そして私と綜司さんは式の前も後もその人達にお礼を言いに走り回らなきゃいけないんじゃないの?


私の双肩に重くのしかかっていた心配はポロリと音を立ててあっさりと落ちた。


「い、いいの?綜司さん?私達こんなに自由にやらせてもらっちゃって。」


逆に不安になってしまった私に綜司さんは


「当たり前じゃないか、僕らの結婚式なんだから。僕らの人生は僕らで決めるんだよ。」

と言って頼もしく笑った。

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